積層型3Dプリンタで作ったサイコロを転がしてみる1/2

Dots RPG Projectという、目の見えない人でも不自由なくゲームを遊べるよう、点字のサイコロを作っている団体を知った。他にも、学習障害のある人が遊べるようにしたテーブルトップRPG用のキャラクターシートや、耳の聞こえない人のためのゲームアクセサリーも作っているらしい。

触覚で認識できるサイコロっておもしろそう!とwebサイトを読み進めると、3Dプリンタを持っている人向けに無料でサイコロのデータを配布していることがわかった。

興味のある人は下記からダウンロード可能(商用利用不可)。*販売サイトの都合上値段が書いてあるけど、クーポンで無料になるシステム。
https://www.dotsrpg.org/3d-models

よし、プリントしてみよう!と思ったところで疑問が湧く。

家庭用のFDM型3Dプリンターで、きちんと偏りのない目を出すサイコロが作れるのだろうか?もし3Dプリンターでサイコロが自作できたら、触覚を使って遊ぶサイコロなど、色々作れて可能性が広がる。

熱溶解積層型のプリンタは、プラスチックの糸を高熱で溶かしてどろどろにし、それを下からソフトクリームのようにうねうね積み上げていくことで、ある程度自由な立体を作るシステムだ。底の面はどうしても厚くなってしまいがちだし、たとえば立方体を作っても、完璧な形ではなく表面が少し凸凹したりわずかにゆがんだりしてしまう。ハードルが高そうだが、まずは先人が似たようなことをやっていないか調べてみる。

まずは形を工夫している人を見つけた。ダイスのような立方体にするのではなく、えんぴつのような角柱型にする方式。この形にすれば、少なくとも目の出る面同士はかなり平等に作れそう。FDMのプリンタはZ方向の造形精度が悪く、xy方向の精度はまあまあ高いからだ。

平等なサイコロを作るならこの方法が確かにベストだしいいアイデアだが、やっぱり普通のサイコロの形がいい。

そうしてまた探しているうちに、3Dプリンタ製のサイコロの公平性について記事を書いている人を見つけた。

記事に書いてあった、公平なダイスを3Dプリンタで作るときに考慮すべき5つのことを引用する。

  • 3Dプリンタの種類
    (FDM/熱溶解積層型, SLA/光造形, SLS/粉末焼結のうち、SLAまたはSLSは、より正確に形を印刷できる)
  • 壁の厚み
    (底面、上面、壁の厚みを同じくらいに設定する)
  • ダイスの面数
    (4面か6面は印刷しやすいが、面が増えるとエラーが起こりやすくなる、サイズも小さいと難易度が上がる)
  • 正確性
    (フラットで綺麗な面をつくるために、印刷スピードを遅くするといいかも、やすりをかけてもいい)
  • インフィルの設定
    (よくある六角形のインフィルで中を埋めると、重さが上面と底面のみに偏るかも。インフィルのパターンにきをつけて)

すばらしい、6面を平等な重さにするためのtipsがたくさん書いてある。同記事には、サイコロの目をエンボスで入れると重さのバランスが変わるので、文字を印刷した方が良いとも書いてあった。これは点字で作りたい場合は、避けられない。ただし点字の1-6の目の場合、小さな点が多くて7つ、少ないのが5つと、あまり偏りがないように思ったので無視できる条件かも。

ということで、これらを参考にしてFDMでサイコロを作った。ベンチマークとして、同じデータを使ってSLA, SLSで作ったサイコロも用意する。これら3つの方法を使った点字サイコロの、精度について確認してみることにした。おそらくSLA, SLSで作ったものは問題なく正確なサイコロになるはずで、問題はFDMである。

FDM製はスライサーの設定が大事になると思うので、下記のように設定してみた。

  • 底面、上面、壁面は3レイヤーで統一
  • インフィルは面倒なので充填率100%で全部詰めてしまうことにした
  • 印刷スピードは通常通り(60mm/s)
  • 積層ピッチも通常通り(0.18mm)
インフィル充填率100%。つめつめで印刷。
左からSLA(光造形)、SLS(粉末焼結)、FDM(熱溶解積層)と3種類の3Dプリンタで作った点字サイコロ

こうしてみるとわかるが、サイズがかなり大きいのだ。多分普通に想像するサイコロの4-5倍くらいの体積とおもう。これくらいじゃないと点字が触って識別できない。

サイコロの公平性について書いた記事に、同じくサイコロが公平かどうかについて調べる方法まで親切に書いてあったので、その方法で調べてみる。(次の記事へ)


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